- 特別のトレーニングを受けた専門家(アセッサー)による客観的な能力診断を行います
- 私たちは、受講者の育成を重視し、組織の生産性アップにつなげます
- 成果を出す管理職やリーダーには何が求められているのかが分かります
- 成果を出す管理職やリーダーになるために、自分に何が不足しているかが分かります
アセッサーに向く人・向かない人
自己紹介をする際に、人材アセスメントの仕事に携わっていることを話すと、
「アセスメントですか?難しそうですね」とか「どのように評価をつけるのですか」などと質問を受けることが多い。
人材アセスメントへの関心を持ってもらえるのは嬉しいので、
そういう場合は、どのように人材アセスメントを行っているのかを具体的に説明するようにしている。
ところが最近は、人事部に在籍している友人や、研修講師をしている仲間から
「セカンドキャリアとしてアセッサーをやってみたいのだが、自分にもできるだろうか」
「アセッサーになるには才能が必要なのか?」
などのように一歩踏み込んだ質問をうける機会が増えている。
そこで今回は、「アセッサーに向く人・向かない人」というテーマでコラムを書くことにした。
人材アセスメントとは人の能力を点数化することと思われている節があるが、
実際の人材アセスメントではいきなり評点からは入らない。
演習を通じて発揮されたその人の行動を観察・記録し、それを多角的に評価することで、
その人の強み/弱みを含めた特徴をプロフィールとして描き出す作業をまず行う。
筆者の場合、このプロフィールを形成するまでの観察・記録・評価の作業だけで人材アセスメント作業全体の5割を費やす。
観察・記録・評価の作業を十分に行えば、ディメンションと呼ばれる評価項目毎に点数をつける評点作業は、極めて短時間で終わる。
では残りの4割強は何をしているかというと、他のアセッサーやメインアセッサーの視点を通じた、評価(評点)の擦り合わせ作業である。
アセッサーがつけた評点は仮の点数であり、複数の視点での評価作業を経て、はじめて客観的に意味のある点数となる。
すりあわせ作業は、製造業でいうと品質保証や品質検査に相当し、人材アセスメントの精度を決める重要な行程である。
このようにアセッサーの作業の大部分が、観察・記録・評価・擦り合わせといった地味な作業であることがお分かり頂けると思う。
「アセッサーに向く人」とは
「アセッサーに向く人」とは、まさにこういった地味な作業を厭わない職人的な気質を持った人である。
アセッサーになった人は、まずは膨大な観察記録をとることを求められる。
もちろん観察記録全てが評価に活かされるわけではないが、地道に記録をとり、それを何度も見返し、受講者の行動を分析する作業を通じて、人を見る力がつくのである。
ではベテランアセッサーになれば記録を取らなくてよいのかというとそうではない。
人のプロフィールは、演習中に観察された全ての行動からストーリーとして浮かび上がってくるものなので、演習中のすべての行動をキャッチし記録しておく必要がある。
人材アセスメントスキルは場数だけ増やしても伸びない。
量が質に転換するということを愚直に信じて、1回1回のアセスメントを地道にこなせる人が一流のアセッサーになれるのである。
「アセッサーに向かない人」とは
次に「アセッサーに向かない人」について考えてみたい。
人材育成を業としている者として「○○に向かない」という言葉は使いたくないが、人材アセスメントスキルを身につけるのに時間がかかるという人はいる。
前述の地味な作業を嫌う人、効率最優先の人もそうだが、人に対する好き嫌いが激しい人も、適正な人材アセスメントを行うための評価軸を身につけるために時間がかかる。
人間なので好き嫌いがあって当然だが、それが極端だと評価にも反映されて、バランスのとれた人材アセスメントができなくなるのだ。
同様に、すぐに人のプロフィールを決めつける人もアセッサーになると苦労する。
たとえば、「口をゆがめて話す人は、本心を語っていない」とか、
「この人は高校時代のクラスメートの誰々に似ているから、本当は気が優しくて感受性が高い人だ」などと、
演習全体を通じたエビデンス(観察事実)に基づかないで一面的に評価する人は、アセッサーとしての適性に疑問符がつく。
実際、演習中に発揮された行動の一局面だけを捉えて評価しがちな方はアセッサーとして大成しづらい。
たとえば、グループディスカッションの冒頭で積極的に場を仕切った行動だけを捉えて率先性が高いと評価してしまったり、
だらだらと意味の無いことを発言している人を発言時間が長いということだけを捉えてリーダーシップがあると評価してしまったり、
短絡的に人のプロフィールを決めつける傾向がある人は、一流のアセッサーになるには時間がかかる。
とはいえ、時間がかかるかもしれないが、どんな人でもプロのアセッサーとして活躍できるようになると私は考えている。
アセッサーを目指す方に向けて
人生100年時代に突入した今日、中高年になってからアセッサーを目指す人も多いと思う。
企業で長くビジネスに携わってきた方や地道に部下指導を続けてこられた方は、実務経験から得られた人に対する評価軸が自然と備わっているので、若い人に比べて有利な面がたくさんある。
人材アセスメントに関心がある方は、ぜひ勇気を持って、この世界に足を踏み入れて頂きたい。
弊社の人材アセスメント研修は以下のページで、紹介させていただいています。